小林賢二のしごと

FACE
2013年06月16日

FACE
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はじめに(計画書より抜粋)
   
すべての自然は、永劫に循環してまた戻ってくる。
20世紀の文明は、物質的な快適さと経済的な効率を追求するあまり、急速に自然を侵略し、破壊し続けてきた。今世紀の人間が猛進した矢のような時間は、本来自然が持っている循環・再生のシステムも打ち壊し始めている。
自然は循環している。上にある天、足下にある大地・海との間で、絶え間ない循環が続けられている。人類も、この循環的な時間に歩調を合わせなければならない。
この新潟港東側緑地計画においても、従来あった緑豊かな自然を回復し、保全していこうとする、意義あるプロジェクトが進められている。そして、当プロポーザルは、この東側緑地から砂丘列の林へと続く森林空間の導入部にあたる一角に、自然界のあらゆる生命の、共生と循環の原理をテーマにした彫刻と広場を計画するものである。
近隣との共生も、単に隣り合っているというだけでなく、自然との共生という共通の意識(動機)の元、共に生きているという事実を十分に受け止めることが必要であろう。
広場は、「母なる自然」を考える想像の場への入り口であり、彫刻は、その契機を与えるものである。
「母なる自然」を畏怖する新しい芸術(空間)を、21世紀へのメッセージとして提出します。
(1998年1月 小林賢二)
   
   
新潟県
新潟港(東港区)東側緑地導入部  |  集いの広場・シンボル彫刻 基本計画
土、草木、白御影石、他
1998

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