小林賢二のしごと

土と石と水と草木でアースワーク

木花開屋姫命
2013年06月17日

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早春の雪柳に始まり、
小手毬、下野、売子、沙羅、そして耳菜草、玉簾らの
草花が次々に清楚な白花を咲かせ、
その花弁は水盤に注がれる。
夏も終わり、
風にそよぐラブグラスの間から、
曼珠沙華の鮮烈な赤色が顔を出し、
一刻の悦びに酔う。
   
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新潟県北魚沼郡広神村
神湯とふれあいの里 彫刻清流公園 | 環境彫刻
黒御影石、 赤御影石、 白御影石、 土、 水、 草木
1997

photo_Forward Stroke Inc.

   
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FACE
2013年06月16日

FACE
FACE
   
はじめに(計画書より抜粋)
   
すべての自然は、永劫に循環してまた戻ってくる。
20世紀の文明は、物質的な快適さと経済的な効率を追求するあまり、急速に自然を侵略し、破壊し続けてきた。今世紀の人間が猛進した矢のような時間は、本来自然が持っている循環・再生のシステムも打ち壊し始めている。
自然は循環している。上にある天、足下にある大地・海との間で、絶え間ない循環が続けられている。人類も、この循環的な時間に歩調を合わせなければならない。
この新潟港東側緑地計画においても、従来あった緑豊かな自然を回復し、保全していこうとする、意義あるプロジェクトが進められている。そして、当プロポーザルは、この東側緑地から砂丘列の林へと続く森林空間の導入部にあたる一角に、自然界のあらゆる生命の、共生と循環の原理をテーマにした彫刻と広場を計画するものである。
近隣との共生も、単に隣り合っているというだけでなく、自然との共生という共通の意識(動機)の元、共に生きているという事実を十分に受け止めることが必要であろう。
広場は、「母なる自然」を考える想像の場への入り口であり、彫刻は、その契機を与えるものである。
「母なる自然」を畏怖する新しい芸術(空間)を、21世紀へのメッセージとして提出します。
(1998年1月 小林賢二)
   
   
新潟県
新潟港(東港区)東側緑地導入部  |  集いの広場・シンボル彫刻 基本計画
土、草木、白御影石、他
1998

千草の庭
2013年06月16日

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photo_Forward Stroke Inc.

    

アプローチの小道が周囲をめぐり、緑陰パーキングの木立に守られるようにかたちづくられた空間は、日本海と山深い信州とを結ぶ、待ち望まれた上信越自動車道の全通を祝し、象徴的にしつらえた「庭」です。
連なる千草石の磨かれた鏡面が、陽光のもと輝きを放ち、あたかも一筋の道を光でしるすように、この空間をゆるやかに横断しています。新潟—長野—群馬の山並みに沿って、ユキツバキの映える新潟からシラカバの明るい林を抜けてレンゲツツジのもえる山まで。上信越自動車道の完成した姿をこの「光の道」に見立て、重ね合わせました。
この庭は、地元の新潟県新井市にだけ産する銘石・千草石で構成されていることから「千草の庭」と名付けました。
「千草」にはまた、「いろいろの草」という意味もあります。雪景色の中から芽吹き、サクラやツツジの鮮やかな花々に彩られる春を迎え、夏から秋へ、千草石の足元では草花が次々に清楚な花を咲かせ、ほっと一息つく旅人に四季折々の箱庭の景を見せてくれます。
   
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新潟県新井市
上信越自動車道全通記念庭園 | 庭園デザイン・記念碑制作設置
千草石、いわき桜御影石、土、草木
1999

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