小林賢二のしごと

墓所も、作ります。

田中家
2017年04月22日

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信州上田の知人家族のお墓ですが、皆さんご健在です。
生前建墓(寿陵)は、「長寿・子孫繁栄・家内円満」を招き、縁起が良いものとされているようです。
生前にお墓を建てる一番の良いところはデザインを選べることかもしれません。
   
墓所を広々と使い、シンプルで健やかなイメージのデザインをいつも心がけています。
グレーと黒の三種の御影石を使って、まわりに黒の墓石が多い霊園の中に溶け込ませながらも、ひと味違う光のある墓所が立ち上がったと思います。

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長野県上田市
墓所 | 墓石デザイン
黒御影石、灰御影石
2016

神道の墓所
2016年04月19日

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石を扱う創作活動をしている中で、墓所のデザイン・制作のご依頼も受けるようになりました。故人にとっても、お参りされる方にとっても心地よい庭のような場所を作りたいと考えながらご提案しています。
今回は神道のお墓でした。
神道では墓を「奥都城」と言ったり、お線香の代わりに玉串を捧げるための供え台(八足台)が必要だったり、三種の神器の一つ「天叢雲剣」をあらわす頂部の尖った(トキン型)縦長の墓石が多かったり、といった前例を参照しながら、基本的にはシンプルなものが神道には相応しいだろうと判断しています。
打合せに伺ったお宅の、故人が育てていたキレイに仕上げられた芝生の庭の風景がとても印象的でした。
墓所も、余分なものは排除してサッパリとさせたモノトーンの中に、黒と濃グレーで構成した石碑を配置しました。倒れる心配のないような安定感のあるものがいい、という建主さんのお気持ちにも添いながら、しゃがんで拝む際に自身が映り込む黒い石を低く据えて、頂部をトキン型に加工しています。四方の景色を映し込み、背の高い墓石とは違った趣が生まれました。
石の仕上がりも申し分なく、大らかな中に芯の通った墓所ができたと思います。
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▼提案模型
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▼故人が育てられ、ご家族に引き継がれている芝の庭
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栃木県佐野市
墓所 | 墓石デザイン
黒御影石、灰御影石、白御影石
2015

宙の庭
2013年06月17日

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天と地、上下対をなす立方体を重ねたバランスの石の表面に、有機的な木の葉の影像を写し取っています。散りゆく葉か、萌え出る葉かは観る人の感性と、観る時の感情に委ね、裏と表、消滅と誕生、天空を大地、過去と未来・・・対するふたつの調和・調子をモチーフに、一枚の白御影の小さな大地に広がる、ゆらぎを内包する一編の庭のような作品として構想しました。
   
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東京都八王子市
墓所 | 墓石デザイン・制作・施工
黒御影石、灰御影石、白御影石
2010

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