小林賢二のしごと

明治神宮 百年の杜
2017年07月06日


梅雨の合間、数年ぶりの表参道を歩いて、二十数年ぶりの明治神宮を歩いてきました。
森と道と人のスケールの関係が、都市生活者にとっては非日常の深いやすらぎに包まれるような風景に映ります。
創建当時の首相大隈重信が、伊勢神宮や日光の杉並木のような荘厳な針葉樹の美林にすべきだと主張する中、当時の林苑関係者が百年先の姿を見通し、椎・樫などの照葉樹でなければ育たないと大隈首相を説得しました。
乾燥した関東ローム層では杉は充分に育たない。常緑広葉樹でなければ東京に永続する森は造れない。
大隈の言う通りに杉の森にしていたら、貧相な森になっていたのでしょう。

植物と付合うと、気長に待つ事が平気になってきます。それは私も日頃体験していますが、百年後を念頭に置く姿勢と時間の感覚は見習わないと、と思いながら書いています。
   
明治神宮を歩いたのは、武蔵野の面影を残す自然林で、笹が茂りアオキやヤツデやツバキ等の常緑低木が芽吹き雑草が顔を出す林床を、どの程度の管理で維持しているか確かめたかったから。表参道を歩いたのは、元インテリアデザイナーだった若い頃を思い出して郷愁に浸りたかったから。?
明治神宮御苑は花菖蒲の見頃が過ぎて、穏やかな空気が流れていました。
藁葺きの四阿が、なんともいえない可愛いく朗らかな佇まいです。


スイレンが咲いています。

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