小林賢二のしごと

ギンバイカ
2017年06月19日


知らぬ間に、無数の白い花をつけていました。
最近、庭には出ていたのに気がつかなかったのは、下枝を払って育てていたので、花が上のほうで咲いているのと、遠目にはパッとしない花なのと、たぶん季節的に私が木々の開花を気にしてなかったのと、ちょっとボケていたのと。
もう10年以上前、マンションランドスケープで住戸の専用庭と共用の庭を仕切る生垣に、何か変わった材料を使いたくなって植栽図面に書いた「ギンバイカ」。当時の私の仕事は造園デザインのみで、施工担当の造園業者が、生垣を作るのに充分な大きさの木は揃わないと言いつつ、サンプルで現場に持って来てくれた高さ50cmぐらいだったギンバイカ。生垣に使うのはあきらめて、試しに?もらってきたギンバイカ。知らぬ間に、高さ5mぐらいに成長しています。
上への成長速度に比べて幹の太りが遅く、ヒョロヒョロと育ってしまい、雨や自重で幹は倒れやすく、枝は折れやすく、雪でも降った日には大変です。樹冠を刈込んで育てたほうが良さそうで、刈込みには強く、四つ目垣を組んで生垣に仕立てるような使い方はいいかもしれません。
近づいて見れば梅に似る銀梅花。雄しべの長さと多さは、近くで咲く前述のビヨウヤナギに似る。そういえば、花に集まる虫が多くなる季節です。
地中海沿岸地方原産。愛の女神にささげる神聖な花として結婚式の飾りに使われるとのこと。「なんか地中海っぽい」って地中海を知らなくても思えてきます。暖地性の植物なので耐寒性はあまりないはずですが、ここはたまたま好条件がそろっているのか、東京都多摩温暖化を心配するべきか、ちょっと気になる満開のギンバイカではあります。

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