kobayashi kenji atelier
     
ハナズオウ

2006.04.13 ハナズオウ

あまり好きな木ではなかった。
葉に先だって、太い枝から直接小花をびっしりとつける姿が異様だ。サヤエンドウのような豆を、やはり太い枝からびっしりとぶら下げる姿が異様だ。夏からの革質の大きい葉には味がなく、樹形にも品がなく、他の植物と合せづらい。

近所のお庭に一本あったら、剥き出しの大地さえ用意しておけばハナズオウをゲットできる可能性は極めて高い。
5年ほど前に二株登場して、道路沿いの狭い大地に発芽した一株が、今年ようやく他人目にもわかる量の花をつけた。あまり興味をもっていなかったせいか、よくよくとこの花を観察するのは初めてだ。蝶形と呼ばれる小花は小洒落ていて、集まって咲く姿は思いのほか美しい。
こうしてディテールの美しさが脳裏にインプットされると、遠目に見る印象も変っていくのかしらん。
こうして嫌いな植物は年々と減っていく。