kobayashi kenji atelier
カマキリ誕生

2004.05.25 カマキリ誕生

9:45。快晴。カラッとしたいい天気。ここにアメリカフウロの事を書こうと思い庭に出ると、花は終わっているものが多くていい被写体が無い。又にしようと戻りかけてふと思いだした。冬枯れの季節に見つけておいたユキヤナギの枝についたカマキリの卵鞘。
何日か前にカマキリの子を見つけたので、もう生まれちゃったのかと確かめにいくとユキヤナギのそれではなかった。絶対に生まれるところを見ようと一ヶ月ぐらい前から気にしていたカマキリの卵。
生まれていた。いや生まれている。
ニョロニョロのような格好で次々と抜け出し、しばらくするとカマキリらしい形に脱皮し順々に歩き始めている。すでに50匹ぐらいがユキヤナギの枝に散らばった頃、彼らの動きが一斉に止まった。アリだ。一匹のアリがやってきた。形を整えたカマキリを見過ごし、卵鞘に近づいてくる。狙いは頭だけだしたニョロニョロだ。去年カマキリの子をゴミと間違えて掃除機で吸ってしまった私としてはカマキリに加勢したいところだが、グッとこらえて見守っていると、アリは仲間を増やしてニョロニョロの略奪を遂行していく。
恐るべし弱肉強食の世界。野生の大国!
しゃがんで見守ること約一時間。奪われていくカマキリの赤ちゃんに胸を痛め、3日前に自宅の軒から取り除いたアシナガバチの巣の中にいた数匹の幼虫のことを思い出して、さらに心を悩ましているさ中、寄ってくる蚊を4匹タタキ殺し、足下の気になるメヒシバとカタバミの若葉を次々と抜き、気がつけばゲンノショウコを踏み潰している悟りには程遠い私でした。それにしても今日はヒマで良かった。