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2006.02.07 雪
雪の被害が大きい今冬、「雪月花」などと暢気な雪との付き合いしかないような土地に暮す人間が、雪を喜ぶにはいささか抵抗はあり、まして信州とはいえ日本有数の降水量の少ない地方で生れ育って、雪で困ったことはなく、「雪。」と聞くと「古代君。」と連想してしまう能天気が語るべきお題ではなかった。ただ、春の輝きを際立たせるためだけに時間を費やしているのか、東京の冬よ。といいたくなるような退屈な冬の日、忘れた頃に降り積もる雪は、眠っていたかのような日陰の庭に確実に時間の流れを思いださせる。
冬の日陰の庭はきつい。庭に出たいという気持ちにならない。
雪の中に咲く梅でもあれば良いのだが、冬の日陰の庭では、自然を愛し瞑想し共感し連帯し、やすらぎ、ときめきに出会い、心を休ませ、心を遊ばせ、明日への活力を甦らせていくようなことがない。庭に出たいという気持ちにならないから。
冷たい朝を待っていたのは、解ける前に雪の写真を撮ろうと思い立った時ぐらいさ。
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