kobayashi kenji atelier
     
雑草

2005.07.28 スズメ

スズメは人里に多い。人間が集落をつくると裸地が増え、スズメの好きなイネ科の雑草が増える。稲作農耕地があれば言うことないのだろうが都市でもスズメは生き続けている。山林での他の猛動物との争いを避け人間との共存にかけた賢い鳥だ。人間のまわりに季節を問わずうろちょろしながら、一定の距離を保ち、嫌がられずけっして飽きられない様々な術を心得ている。寄ってはこないし、刺さないし、突かないし、糞もあまり気にしたことがないし、いやな鳴声じゃないし、かといって殊更に溺愛したいと想う要素も無い。私には農業に携わる人の立場に立った視点が決定的に欠落しているが、イネ科の雑草の種を食べ害虫も食べてくれていると思うとスズメはとても可愛いくて有り難い。

デザインを学ぶ事がやっと本格的におもしろくなり始めた二十歳過ぎの頃。公園の日なたのベンチでセブンスターのパッケージデザインの美しさに関心しながら、警戒心もなく寄ってくるハトとスズメを見ていたあの時から、私はスズメが好きだ。スズメの意匠が好きだ。飽きのこない優良なデザインの模範だと思っている。
枯れた草の色、木の色、いろいろな土の色、風の色。日本の風土がスズメの意匠に凝縮されている。と言ったら言い過ぎだろうか、、、言い過ぎだろう。日本だけの鳥じゃないし。
しかし、人里の風景にスズメは似合う。
スズメの似合うランドスケープがいいと思う。