街並みの美学
2024年09月14日
関本竜太さん(リオタデザイン)との協働も20件を超えてきましたが、関本さんの建築計画に合わせて植栽してきた草木の半分ぐらいは、街並みに向けて植栽しているようです。
昨日造園した三鷹の家でも、小さな前庭は街路から見る庭のようで、住まいの一部でありながら街路の一部のように仕上がりました。
塀で街路と区切られる家と違って、街路がより生活の一部になり、そこに愛着を感じる人が増えて、そうして街並みが美しくなっていく。
最近、たまたま建築家芦原義信さん著の「街並みの美学」他数冊を読み返していたところでした。
半世紀近く前の日本の街並みに対する問題提起でしょうか。イタリアのドライな広場への偏愛も感じる本ですが、万年塀やブロック塀で家も庭も囲われた単調で無表情な住宅街への考察があります。
半世紀ほど経って、変わっている街並みもあるかもしれませんし、遅々とした変化で未だに退屈な街並みが多いのかもしれません。
ただ、小さな作業の積み重ねでも、街並みを美しくするための仕事に関われていることが嬉しくもあり、誇らしくもあると、読了直後の造園完了後に感じています。
まだまだこれからどんどん豊かな街並みが増えていくだろう可能性は感じています。