小林賢二のしごと

Landscape art, Sculpture/神道の墓

神道の墓所
2016年04月19日

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石を扱う創作活動をしている中で、墓所のデザイン・制作のご依頼も受けるようになりました。故人にとっても、お参りされる方にとっても心地よい庭のような場所を作りたいと考えながらご提案しています。
今回は神道のお墓でした。
神道では墓を「奥都城」と言ったり、お線香の代わりに玉串を捧げるための供え台(八足台)が必要だったり、三種の神器の一つ「天叢雲剣」をあらわす頂部の尖った(トキン型)縦長の墓石が多かったり、といった前例を参照しながら、基本的にはシンプルなものが神道には相応しいだろうと判断しています。
打合せに伺ったお宅の、故人が育てていたキレイに仕上げられた芝生の庭の風景がとても印象的でした。
墓所も、余分なものは排除してサッパリとさせたモノトーンの中に、黒と濃グレーで構成した石碑を配置しました。倒れる心配のないような安定感のあるものがいい、という建主さんのお気持ちにも添いながら、しゃがんで拝む際に自身が映り込む黒い石を低く据えて、頂部をトキン型に加工しています。四方の景色を映し込み、背の高い墓石とは違った趣が生まれました。
石の仕上がりも申し分なく、大らかな中に芯の通った墓所ができたと思います。
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▼提案模型
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▼故人が育てられ、ご家族に引き継がれている芝の庭
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栃木県佐野市
墓所 | 墓石デザイン
黒御影石、灰御影石、白御影石
2015

墓地地鎮祭
2015年10月16日

15(木)は栃木佐野。墓地工事開始に際しての地鎮祭に出席しました。
jichinsai
お墓での地鎮祭は必ず行われるものではありませんが、こちらは神道のお墓で、神主さんが来られて土地の神様を鎮め、敷地を清めて、工事の無事を祈ります。
二坪に満たないほどの土地と向き合う、貴重な数十分の体験でした。
神道のお墓のデザインも始めての経験です。墓ではなく「奥都城(おくつき)」と書いたり、線香ではなく榊を備えたり、神道ならではの形式を習いながらもモダンでシンプルな墓所を提案させて頂きました。
2ヶ月ほどで完成の予定。
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