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2004.04.05 ハイゴケ
庭の出来事が気になって仕事にならない季節がやってきてしまった。
土の中に潜伏していた野草たちが、あちらこちらから姿を現し始めている。イカリソウはすでに小さな蕾をもち、早咲きのアスチルべは大きく葉を広げ始め、シダたちはグルグル巻を解いていく。ハンゲショウは去年とは全然違う場所から顔を出し、冬の間は土しか見えなかった鉢の中のギボウシやヒトリシズカ、フウチソウ、シランも活動を始め、落葉樹の新葉もそろそろ出揃ってきた。
そんないつもの春の出来事の中でも、毎春鮮烈な印象を私に残していくのが、このハイゴケの柔らかな緑のマットの中から生まれるアマドコロの生命。コケの緑と紅みを帯びた芽の補色の関係と、質感、触感の鮮明な対比がセクシャルなシーンを際立たせている。この光景の目撃者は今のところ私ひとり。アマドコロがそれらしき形に成長してくると、この風景も落ちついた美しさに変化していく。
サクラに気を取られる盛春の一瞬の出来事である。
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