小林賢二のしごと

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photo_So Hiramatsu

   
   
手作りの土の器は空気と炎にさらされて、抽象の中に自然のゆらぎを漂わす。
作意を越えた趣。
そこには庭の美観が凝縮されているように想います。
朗らかな佇まいの中に、花開く直前の蕾のような、悦びやときめきを感応させてくれるかたちが好きです。
                                               
球にした土を手のひらに置き、親指をあてた凹みを少しずつ広げていくと小さな宇宙が目の前に現れます。
一期一会と心の中で唸りながら、土と手から生まれてくるひとつひとつの粋な個性を感じながら、素直に育てよう、と。
電動轆轤の回転に頼らない「てびねり」という手法で、手のひらから優しい花びらを生み出すような心持ち。
「てひらはな」と名付けました。
   
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願わくば、世界中の皆様の食卓に。
長く親しく一緒に暮らしてもらえるように、と想いながらの、手のひらの上の器作り。です。

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