小林賢二のしごと

台湾

モリモリ元気な台北の緑
2019年03月10日

先週は1週間の台湾出張。
悪天を見込んでの長めの滞在で、現場工事が出来ない案の定の雨日を使って台北の街を歩き回りました。2度目の台北ですが、前回の訪問で緑がモリモリ元気な街だなという印象をもち、今回はその実態を探る旅。
   
亜熱帯気候で、日本では観葉植物として小鉢で楽しんでいるような木々が悠々と大木に育ち、植物そのものに勢いがあります。台北市街地は、どこも舗装された都市の姿ですが、大らかな街路樹を幾列にも並べた大通りが東西、南北に走り、公園や大学のまとまった緑の風景が所々で見られます。





東京の街並みとの大きな違いは、街中の木々が過度の剪定をされずに悠々と枝葉を伸ばして育っているところだと思います。
とても眩しく映りました。
   
更に、大きな道でも小さな道でも、枝葉の越境(道路へ、隣地へ)が大らかに許されて、楽しまれているようです。その快楽を共有できないと有り得ない、どうにも羨ましい街並みの緑の光景を至る所で目にします。



そして、大通りから路地へ、裏通りへ目を移せば、道を覆う木々と、足下のコンテナ植物と、ベランダや屋上からも溢れるような植物たちが小粋な立体ガーデンを織りなし、必ずと言っていいほど私をそそります。
台北の街歩き、足は疲れても、気持ちが前に進みます。




ほとんど舗装されている家先店先が、一瞬では全て鉢入りとは気づかない緑量で充たされています。どこに行っても、そんな感じ。
大きな緑と小さな緑のバランスがいい街だと思いました。
おそらく台湾の多くの人が、私より植物好きです。
   
小さな緑の話は後編で。

台湾でランドスケープアート
2018年12月08日


   
昨日まで台湾に出向いてました。
台北で竣工間近の「国立台湾大学医学院付属がんセンター病院」。
日本からは竹田康弘さんと私と、台湾とオーストラリアの作家さんの4人のアート作品が病院施設の実用性から離れた安らぎの風景を生み出します。
   
私は両親をガンで失くしているのですが、二人とも病院で一年余り入院を続けて回復する事なく病室で息を引き取りました。今は改装されている病院ですが、当時は殺風景な汚れた印象の施設で、両親が最後の一年余りを過ごした毎日目にした風景に対して、環境を作る仕事をしている身として感ずるところもあり、その後病院という場所に積極的に関わりたいと思うようになる大きな出来事でした。
今回は台湾で、ここで治療する患者さん、ご家族、働くスタッフの方々に、癒しや安らぎを与えたり、光を見出したり、潤いや楽しみを増やすような時間と空間を作り出そうと、現地のスタッフの皆さんと共同して制作中です。
   
私が担当する場所は、広いロビーを抜けで屋外に出ると現れる芝生の斜面。
空間の戯れ、膨らみ、遊びの要素が感じられるこの敷地に、病院施設の機能から離れて、ここに来るとのんびりとした気持ちになれるような、心を休ませて、明日への活力を甦らせるような庭空間を構想しました。
   

   
一昨日、ここに配置する石のアートピースの位置極めをしてきました。図面上だけでは図れない、現場でないと気づかないことが多々あるのは造園と一緒。遠い地であっても、現場で原寸で調整できるのは何よりも有難いことです。

   
来月末工事に向けて、制作のラストスパートです。

PAGE TOP