小林賢二のしごと

石紀行

上田城の石
2018年08月27日


   
普段の庭作りでも、一人で持てる飛石や敷石は自分で並べないと気が済まないのですが、今年の前半に石階段、石積を職人さんに頼らずに自ら施工する機会が続き、石を使う事への興味の質がすこし進化したと感じており、何かうずうずする心に従って、石積、石垣を改めて見ようと上田城のまわりを歩いてきました。
故郷の上田ですが、特定の目的をもって歩くと見えてくる景色はいつもと違い、とても新鮮です。
デザイン画の参照に見るのと、自分で積む事をイメージして見るのと、またすこし違うようです。
   





   
歳月を経て、自然に帰るかのように植物と俄然一体となった景色。
まさにそんな様相を見たくて出かけたのでした。
   
資材が足りずに河原の丸石を付け加えて仕上げてるような石積の、自由な空気に惹かれます。
風雨に晒されて遅々とした変容をとげていく石と、四季折々に変化する草木のみずみずしさとの絶妙なハーモニーが、私の心のうずうずを増幅させていきます。
   
30年ほど前、遠くエジプトの遺跡に触れてから猛烈に石への興味が湧いた私なのですが、故郷の遺跡再認識で、ステップアップ出来そうな予感が。
   
すこし遅めの夏休み完了。
あー、作りたい。
   

レンコン畑の秋
2015年10月24日

renkon
昨日は茨城土浦。いつもお世話になっています石屋さんに出向いて、来月の個展に出品する石の作品を追加制作してきました。
写真は、近くに広がるレンコン畑。
   
田畑の美しさや、里山に自然の美を感じるのもそうですが、植物と土と水と風と光と人の仕事と、
人間が生活空間の中で好む風景は、全く手つかずの自然ではなく、自然と人工がほどよく調和して整理された空間なんだと思います。庭も。
大きな石を加工する最中に生まれる、小さな石の中から、偶然に出来た形のおもしろい石を拾い上げて、ほんのすこしの加工を施して、水鉢や花入れを作っています。
ダイニングテーブルの真中や、飾り棚の片隅に、爽やかな庭の空気を感じられるような小さな景色。水を湛えたり、身近で手に入る草花を添えたり、自然と人の手のほどよいバランスで、見ていて飽きる事の無い小さな石の光景を作りたいと、考えています。
niwanoisi

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