小林賢二のしごと

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喜多見の家・2
2023年03月11日


相羽建設設計施工の喜多見の家
昨日に造園の仕上げを施して、住まい手さんに庭の植物の説明をして、無事に家も庭もお引き渡しができました。
   
砕石敷きとコンクリート洗い出しの気取らないアプローチから、敷地に入っていくと自然石敷きに。
砕石の駐車スペースはやがて下草が侵食して、緑が滲み出てくるのが共有したイメージです。
   
土が露出したところは菜園スペース
単純に区切らないで、庭のグランドデザインの中に取り入れるようにしています。

半日陰の玄関前には、住まい手さんが育てていたクリスマスローズやクロモジも移植
アオダモの枝葉も光を浴びて顔を出し、お出かけのより気持ちのいい景色に育っていく予定。

南の陽だまり
こちらにも菜園スペースがあったり、四方回遊できる楽しみが尽きなそうな、ゆったりたっぷりの屋外空間です。

世田谷区喜多見の風致地区の中、朗らかな佇まいの家
相羽建設との協働作業も成熟してきた感じがします。

アブラチャン
2023年03月07日


伊礼智さん設計、相羽建設施工の小金井の家
既存の庭を残しつつの建替で、去年の4月に現場にうかがって庭で残すものを吟味してから早一年、
昨日から造園工事がはじまりました。
   
去年の4月▼
https://kobayashi-atelier.com/ja/kka/garden/koganei-h-house
   
残した植物は、ハナミズキ、イロハモミジ、ユズ、カキ、クルメツツジ、ヒラドツツジ、カナメモチの生垣と数ヶ月の建築工事を経て生き残ってくれた草花
大きな植栽の骨格がある中に、加えたのは、アブラチャン、ハウチワカエデ、アオダモ、ツリバナ、マルバノキ、クロモジ等々のやや繊細な落葉樹たち

ここに相応しい樹形の木に出会って、普段は脇役に使うことが多いアブラチャンを庭の中央に持ってきました。
植栽計画を一任頂いたからこそ出来た、好判断だったと思います。

去年の4月には気づいてなかった野草も現れて、下草と石の構成が来週の現場の課題。

残しておいた石に新しい石も加えて庭石も再構成していきます。

建仁寺
2023年03月05日


広島の帰り半日京都に立ち寄りました。
久々に竜安寺に行くつもりが、好天の週末でバスも混んでいたので歩いて行けるところへと、建仁寺に変更。
   
京都最古の禅寺
   
本坊の中庭「潮音庭」
禅庭ですが、三尊石を中央に配置した四方正面の安定感のある構成で見ていて難しい気になってこない、、落ち着きのある庭です。
高木はモミジのみ、根締めもドウダンツツジに統一した中に、一かたまりのハランと一本のツバキが常緑の潤いを見せていました。


方丈の前庭は昭和初期の造園だそう。
白砂の波模様に美を感じたことがないのですが、サークル状のそれにはいつもハッとします。
たぶん、ただの好き嫌いです。


「○△□乃庭」
タイトルが庭の雰囲気に似合ってない気もします。


白花の椿と丸っこい石が一つ。
なんでこの凡庸な感じの石を選んだんだろうと、「簡素に生きる」禅の思想に関係あるのだろうか、とか、
想い巡らせられる小さな庭ではあります。
   
方丈、本坊は、建築と庭の明るさの対比がとても効果的で、移動とともに様々な光景の移り変わりを感じられる魅力的な時間と空間でした。




国宝の「風神雷神図屏風」(展示は複製)や、「雲龍図」「花鳥図」「竹林七賢図」といった襖絵や様々な絵の名作があるのも建仁寺の特徴。
龍や鬼神のような重い姿と、庭の朗らかな明るさの対比も印象的です。

法堂の天井画「双龍図」は2002年 小泉淳作画伯筆

境内のそこかしこにも、清潔感のある好感をいだく風景が広がっていました。



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