小林賢二のしごと

台湾でランドスケープアート
2018年12月08日


   
昨日まで台湾に出向いてました。
台北で竣工間近の「国立台湾大学医学院付属がんセンター病院」。
日本からは竹田康弘さんと私と、台湾とオーストラリアの作家さんの4人のアート作品が病院施設の実用性から離れた安らぎの風景を生み出します。
   
私は両親をガンで失くしているのですが、二人とも病院で一年余り入院を続けて回復する事なく病室で息を引き取りました。今は改装されている病院ですが、当時は殺風景な汚れた印象の施設で、両親が最後の一年余りを過ごした毎日目にした風景に対して、環境を作る仕事をしている身として感ずるところもあり、その後病院という場所に積極的に関わりたいと思うようになる大きな出来事でした。
今回は台湾で、ここで治療する患者さん、ご家族、働くスタッフの方々に、癒しや安らぎを与えたり、光を見出したり、潤いや楽しみを増やすような時間と空間を作り出そうと、現地のスタッフの皆さんと共同して制作中です。
   
私が担当する場所は、広いロビーを抜けで屋外に出ると現れる芝生の斜面。
空間の戯れ、膨らみ、遊びの要素が感じられるこの敷地に、病院施設の機能から離れて、ここに来るとのんびりとした気持ちになれるような、心を休ませて、明日への活力を甦らせるような庭空間を構想しました。
   

   
一昨日、ここに配置する石のアートピースの位置極めをしてきました。図面上だけでは図れない、現場でないと気づかないことが多々あるのは造園と一緒。遠い地であっても、現場で原寸で調整できるのは何よりも有難いことです。

   
来月末工事に向けて、制作のラストスパートです。

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