小林賢二のしごと

台北プロジェクト-「杏林の心」
2019年03月11日



台北で進んでいた「国立台湾大学医学院付属がんセンター病院」のアートプロジェクト。
先週の訪台で設置工事を行ってきました。
   
伸びやかに広がる芝生斜面に、花びらや葉っぱや実を連想させるアートピースが戯れています。
寄り添ったり、語り合ったり、
そして、大地にかろやかに浮かぶように配されたピースは、今にも動き出しそうな静かな躍動感を内に秘めています。
   
モチーフは「杏林」
昔、中国の廬山にいた董奉という名医が、治療の報酬として金銭を受け取らずに、変りに杏の苗を植えさせたところ、それが数年後に10万余株の杏林になり、そのたくさんの杏の実を穀物と交換して、貧しい人たちにふるまったという故事。
   
この杏の実と葉がここから生まれて広がっていくようなイメージで描き、その両側(斜面の上と下)には杏の5枚の花びらと花芯を想わす愛らしい造形が、緊張した心と身体を解きほぐすような、やさしい風景をつくりだしています。
   




雨に濡れると色が変わるのが自然石の面白さ
   

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