小林賢二のしごと

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土のない庭
2023年01月19日


昨日は、アートワークの設置工事でした。
最初のご提案から気がつけば丸4年。
高層マンション4Fにあたる人工地盤上の中庭に、庵治石とステンレスで制作したアートピースを散りばめて、見る箇所によって少しづつ変わっていく庭の風景をつくりました。
華やかなモチーフとは裏腹に素材ごとの僅かな色や艶の違いで生みだした景色から、夜の光で花模様がややドラマチックに浮かび上がる予定。
建築工事の仕上がりを待って、完成までもう一息。

庭から見上げる空。

   
日照条件、耐荷重制限により土や植物を使った庭を提供できない建築空間では、植物を使わずに自然の光や風や潤いややすらぎを感じられるような空間のつくりかたを模索してご提案しています。
造形のモチーフはいつも、花びらや葉っぱや星や風。
   
草木や水とは異なる次元での癒しで、いつもそこを通る人々に清々しい感情を湧き起こすような作品を目指して。
寡作ですが。
   
   
「風の詩」 Park Axis 豊洲 中庭 2008

「in leaf」 深川ギャザリアW3棟 エントランスホール 2010

「プラタナスの庭」 広島高精度放射治療センター フロントガーデン 2015

錆御影石
2023年01月17日


昨日が今年の現場はじめでした。
HAN環境・建築設計事務所、松田毅紀さんと二度目の協働になります世田谷の住宅。
2月の引渡しに向かって、建築外構工事が進むと材料搬入が難しくなる奥の庭から中庭、表庭と順々に庭づくりを進めていきます。
   
写真は奥の庭。
シンプルな錆御影石の構成に落葉のナツハゼと常緑のキンカンを入れただけですが、板塀で囲われたお陰でさりげなく絵になっています。
土のところは菜園にしたり住まい手さんが自由にこれから仕上げていくスペース。庭の引渡しとしては、こんな作り方も大いにあって良いかもしれません。
   
昨日はあいにくの雨でしたが、暖色の錆御影石には日陰の庭・曇りの庭を明るくする効果があります。
   
▼こちらは7年前に造園した東村山の「つむじ」に入れた大小の錆御影石たち

こちらは15年ぐらい前、青梅市の住宅に作った味わいのある錆御影のテラス

そして20年前の仕事、渋谷区の高層マンションの中庭

グレーの御影石を敷きつめた日陰の中庭はクールな印象ですが、
一画に作った錆色の石で構成した坪庭を通ると、あたたかみが感じられます。

と、古い仕事も顧みつつ、本格的に今年の庭づくりがスタート。

冬は石の季節*好日の庭
2023年01月12日


小さな黒い石を焦点にした好日の庭。
アトリエの庭は、席から見下ろして眺めるように作った私のための超プライベートガーデン。
   
緑が減った冬の庭ですが、実は、いちばん落ち着く季節。
   
いつ見ても飽きないのは、上手に出来たから。
だと思います。

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