小林賢二のしごと

オオイヌノフグリ
2017年03月12日


他所の庭作りへの集中が続くと、どうしても疎かになるのが自分の庭。
久々に「好日の庭」の昼間に立合うと、知らぬ間の春がやってきています。
一月程前に積み上げた栗石の間から、いつの間にか芽生えて開花しているオオイヌノフグリ。去年はここに居なかったので、栗石を動かした時に種も一緒に付いて来たのかもしれません。錆色の栗石の隙間から顔を出してくれたオオイヌノフグリの緑と青。開き始めたジンチョウゲの香りも漂い、そわそわとしてくる庭の3月、大好きな季節がやってきていたことに気がつきました。
人間の(私の)意図せぬところで作られる石と植物の楽しい響宴。こんな風景を作ろうと思っても作れない、なんともいえない情緒があります。自然の振る舞いにはかなわないのですが、なんとかこんなやわらかい味が出せないかと、明日からまた、現場と向き合うのです。

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