小林賢二のしごと

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楽寿園〜源兵衛川
2018年09月01日


   
西浦の現場の帰り、三島駅近くの「楽寿園」を訪ねました。
「水の都・三島」
この辺りは富士山からの溶岩台地で古くから小浜と呼ばれた山林原野だったそう。
溶岩の間からの湧水のある池と自然林からなる庭園ですが、元々の溶岩台地と、そこに実生で頑張って育った木々と、人為的に加えられた石と草木と、どこからが人の手か、よくわからないのが魅力の庭でした。
手の加え方がやさしいのだと思います。
   




   
   
その楽寿園を南に出ると、園内の小浜池を水源にする源兵衛川が流れています。
住宅密集地の中を流下し、最下流の中郷温水池に達する、全長1.5kmの湧水河川、
今回は上流の方しか歩けませんでしたが、またゆっくり訪ねたい魅力的な水の道でした。
   
都市化や生活環境の変化に伴い汚れていた川を、
ふるさとの原風景・原体験を取り戻そうと整備され再生された素晴らしい水辺環境。
ここもやはり、人の手の、作り手のやさしさを感じます。
西浦の庭も、この姿勢を見習いながら仕上げます。。
   


      
ゲンジボタル、カワセミ等が自生するような豊かな生態系をもつ水辺自然空間が再生・復活したそうで、
子どもも大人も川遊びに興ずる、活き活きとした水辺の風景でした。
もしかすると、とても有名な所なのかも。
犬も歩けば棒にあたる、得した夏のおわりの1日。
   

   

西浦の家・2018夏
2018年09月01日


   
静岡県沼津市、敷地の3方にみかん畑が広がる「西浦の家」
若干の造園作業を残してますが、工事が一段落した現場はみかん達と野草に覆われて、いい感じに緑の中に埋もれてきました。
   

   
石積みも、周囲の草木と目地の中から生まれた野草に覆われて、作り立てとは思えない風景になり始めています。
   

   
敷地の中にもみかんの木を育てて、周囲の風景を取込んだダイナミックな庭の広がりを生みだします。
みかんの苗木をもうすこし植えちゃおうかなと思った2018年夏のおわり。

上田城の石
2018年08月27日


   
普段の庭作りでも、一人で持てる飛石や敷石は自分で並べないと気が済まないのですが、今年の前半に石階段、石積を職人さんに頼らずに自ら施工する機会が続き、石を使う事への興味の質がすこし進化したと感じており、何かうずうずする心に従って、石積、石垣を改めて見ようと上田城のまわりを歩いてきました。
故郷の上田ですが、特定の目的をもって歩くと見えてくる景色はいつもと違い、とても新鮮です。
デザイン画の参照に見るのと、自分で積む事をイメージして見るのと、またすこし違うようです。
   





   
歳月を経て、自然に帰るかのように植物と俄然一体となった景色。
まさにそんな様相を見たくて出かけたのでした。
   
資材が足りずに河原の丸石を付け加えて仕上げてるような石積の、自由な空気に惹かれます。
風雨に晒されて遅々とした変容をとげていく石と、四季折々に変化する草木のみずみずしさとの絶妙なハーモニーが、私の心のうずうずを増幅させていきます。
   
30年ほど前、遠くエジプトの遺跡に触れてから猛烈に石への興味が湧いた私なのですが、故郷の遺跡再認識で、ステップアップ出来そうな予感が。
   
すこし遅めの夏休み完了。
あー、作りたい。
   

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