小林賢二のしごと

住宅の庭

「いとう家」の車止め
2023年02月01日


いつもお世話になっています相羽建設広報の伊藤さんの家。
私のYouTube動画を撮影したりしてくれているのも伊藤さん。
「造園家」で検索すると案外早めに私が出てくるのは、相羽建設の発信力のおかげだと思いますが、伊藤夫妻の取材と広報によるところが非常に大きいのです。
   
さて、
設計は小泉誠さん(Koizumi Studio)。
先週の広島若葉家具から小泉さんの現場続きで集中力を保ちつつ、昨日に伊藤さんの庭も無事におさまりました。

この庭のデザインの鍵は車止め。
車止めが欲しいという伊藤さんと、自然石でという小泉さんとの現場での話から、庭石の構成イメージが浮かびました。
住まい手さんのご要望からデザインが好転して、
当初は思ってもいなかった玄関前の風景に仕上がりました。

マルバノキととダンコウバイを中心に、スズランノキ、ドウダンツツジ、ブルーベリー、ヤマブキなどを加えた秋の紅葉黄葉も楽しみな表の庭と、華奢な二本のアオダモが心地良さをつくる奥のウッドデッキの庭。
全貌は、また改めて撮影にうかがいます。

笹塚の家
2023年01月24日


昨日まで笹塚で庭づくり。
駅近く、車一台ギリギリ通れるぐらいの小道の交差点にある可愛い住宅です。
ロケーションに似合った、素朴でちょっと粋な風景が生まれました。

住まい手さんとはじめてお会いしたのが、ほんの一月あまり前。
現場調査から帰ってすぐに作った私のプランも早かったけど、ご承認いただくのも早かったおかげで、トントンと適材適所の材料に出会う幸運も重なり、短期決戦が功を奏する仕事となりました。
いつもこういうわけにいきませんが、良い仕上がりに向けては早く良い材料をおさえたいと、いつもお願いしている事由です。
   
家の外からも中からもこの庭の拠り所となるのは、株立ちのアオダモと幼い一本立ちのヤマモミジ。
山育ちの木ならでは風情があります。
芽吹く春が待ち遠しいです。

狭い路地で、道行く人の邪魔にならずに二階の窓に枝葉を届けるこちらもアオダモ。
こんな木を持ってこれたのも、トントンと話が進んだおかげです。

潤いを、道ゆく人にも。

錆御影石
2023年01月17日


昨日が今年の現場はじめでした。
HAN環境・建築設計事務所、松田毅紀さんと二度目の協働になります世田谷の住宅。
2月の引渡しに向かって、建築外構工事が進むと材料搬入が難しくなる奥の庭から中庭、表庭と順々に庭づくりを進めていきます。
   
写真は奥の庭。
シンプルな錆御影石の構成に落葉のナツハゼと常緑のキンカンを入れただけですが、板塀で囲われたお陰でさりげなく絵になっています。
土のところは菜園にしたり住まい手さんが自由にこれから仕上げていくスペース。庭の引渡しとしては、こんな作り方も大いにあって良いかもしれません。
   
昨日はあいにくの雨でしたが、暖色の錆御影石には日陰の庭・曇りの庭を明るくする効果があります。
   
▼こちらは7年前に造園した東村山の「つむじ」に入れた大小の錆御影石たち

こちらは15年ぐらい前、青梅市の住宅に作った味わいのある錆御影のテラス

そして20年前の仕事、渋谷区の高層マンションの中庭

グレーの御影石を敷きつめた日陰の中庭はクールな印象ですが、
一画に作った錆色の石で構成した坪庭を通ると、あたたかみが感じられます。

と、古い仕事も顧みつつ、本格的に今年の庭づくりがスタート。

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