小さな黒い石を焦点にした好日の庭。
アトリエの庭は、席から見下ろして眺めるように作った私のための超プライベートガーデン。
緑が減った冬の庭ですが、実は、いちばん落ち着く季節。
いつ見ても飽きないのは、上手に出来たから。
だと思います。
アトリエでの業務をゆるりとスタートさせていましたが、今日が今年はじめての国立市からの外出になりました。
行き先は、昨年の仕事納めと同じ場所。
今月造園予定の現場の材料をとりまとめて、春のいくつかの現場の木々を選んできました。
プランが決まったら、とにかく早く良い材料を探して見つかったらおさえる。
それがより良い庭の仕上がりに向けての最善策です。
3月工事の一つは、2階の窓に悠々と届く山取りのヤマボウシを主体にした庭。
今日選んだこの木のイメージから、まわりの木々の選択肢も決まっていきます。
今年も一年、いつもと変わらぬこんなペースで仕事が出来れば、それは何より。
「空間を考えるデザイナーが考える空間のための遊び」
たしか、そんな課題でした。
20代前半、剣持デザイン研究所でインテリアデザイン業務に携わりながら夜間に桑沢デザイン研究所スペースデザイン科に通っていた時、授業の課題に答えたアイデアを卒業後にブラッシュアップした小作です。
ギャラリーでのグループ展に出品して、はじめて作家として作品を買って頂けたのがこれでした。
アトリエの奥で眠っていた1つが、現場スタッフ大場さんのリビングで生きかえって、3人の娘さんたちが遊んでくれているようです。
お正月バージョンということで。うれしいです。
鑑賞するだけでなく「遊びながら飾ることを楽しむ」というコンセプトの元にデザインした壁掛け。
空間の気分転換に、一年の中の晴と褻の演出に、生活の中で使われることによって始めて完成する作品です。
「SQUARE BEAT」といいます、
桑田バンドが「スキップ・ビート」をうたっていた頃。
紅白の桑田さんもよかったなあ。
ずいぶん月日は流れてきましたが、生活の機能から少し離れた遊びの時間と空間づくりを続けられていることに感慨と感謝の気持ちを抱いている正月です。
今年ももう一皮むけるように、地平を広げていこうと思います。