小林賢二のしごと

庭の手入れ

フィリフェラオーレア
2021年09月12日


「つむじ」に行く機会が増えています。
ポット苗を植栽してから6年目に入ったフィリフェラオーレアの話。
   
流行り始めたのは20年ぐらい前でしょうか。
刈り込んで仕立てることもできる建築的なマッスはおそらく建築家にも好まれて、建売住宅の狭い植込みから高層ビルのグランドデザインまで大流行だった記憶があります。
「フィリフェラオーレア」とすらすら言えるようになった時、植物を扱う職業的にプロに近づいたような気がした記憶も。。
   
コニファーの一種。
コニファーとは針葉樹の総称で、ヨーロッパで改良された品種が大量に出回りはじめたのはこれが流行る以前から。コニファーばかりの庭には関心しませんが、そのオブジェクト的な面白さの利用価値はあり、特に黄色いカラーリーフのこの仲間は庭のアクセント的にしばしば使っています。

▲2016.05.08 錆御影石のベンチとカルミアの間に小さな苗を植えて間もない頃。
   
それから5年、成長の様子を見ながらどうアレンジしようかと考えてましたが、隣のカルミアが元気がないのでこの常緑の潤いを生かした方が得策と、そのまま伸ばしてベンチにかかる枝葉の剪定だけ行って今日に至ります。自然に樹形がまとまるのも良いところ。

次は、伊礼智さん設計のi-worksと小泉誠さん設計の舎庫と、2つのアプローチが並ぶ緩衝帯の植込みに入れた一本。
こちらは高さが出ると鬱陶しかったので、上に伸びる枝の芯を止めて高さを抑えて、横に伸びるジャマな枝を時たま剪定しています。


そして、府中街道側に入れたのはフィリフェラオーレア・モップという矮性の品種。
ここは道にはみ出ないように刈り込んで仕立てることにしました。

▲2016.04.24 幼苗の時は初々しい可愛さが
   
東村山駅前の志村さんの像の足元にも植えられていました。
コニファーの中でも爽やかな印象が好まれるのか、流行は続いているようです。

三大庭木、江戸五木
2021年07月21日


手入れに通い始めて5年目になる都内のお屋敷の庭。
うちの普段の造園では使わないような、モッコク、モチノキ、クロマツ、イヌマキ、サカキ、ダイスギ、スダジイ、、昔の日本の庭ならではの常緑樹を中心にした和風庭園です。
国立に移り住んで二度目の借家の主木が、三大庭木(モッコク、モチノキ、モクセイ)にも江戸五木(モッコク、アカマツ、イトヒバ、カヤ、イヌマキ)にも選ばれたあげく、、「庭木の王様」とまで言われたモッコクでした。モッコクやモチノキを覚えたその頃、マンンションランドスケープなどの設計図にはたまに書き込んでましたが、最近の住宅造園で使わなくなったのは、流行らなくて良い材料を目にしなくなったからか。
ここに来ると、その良さを再確認します。
常緑高木の手入れは頼りにしてます職人任せですが、日常の仕事と先達の仕事を行き来できる、ライフワークのような大切な現場になっています。

枝垂れ桜とバーハーバー
2021年07月01日


国立にある「枝垂れ桜の庭」
   
庭の桜は毎年の手入れが欠かせませんよという話をした上で、それでも枝垂れ桜の中庭!
ということで、私の仕事では希少な大切な経験になっています。毎年手入れに通って、いよいよ桜っぽい様相になってきました。たしか9年目。

この庭の特筆すべきもう1つは、アオハダの根締め?に一株入れたバーハーバー 。
4〜5年で直径4mぐらいに広がって、数年前から行くと減らす剪定が始まってますが、この先どんな感じになっていくのかは未体験ゾーン。
植物に対してなかなか万能にはなれないのですが、とても成長させて頂いてる感じがします自宅から自転車で3分の大切な現場。
   
●建築設計:プランプラン

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